水漏れを修理した管理人

405号室の住人から、管理人室に水漏れの連絡があった。私が405号室にいってみると、洗面所の蛇口から勢いよく水が溢れ出していた。あわてた様子の住人は「どうしたらいいですか」と叫んでいる。管理人室から工具を持ってきて、蛇口のナットを締めると、水漏れはピタリと止まった。住人のお礼の声を背中で聞きながら、私は405号室を後にした。
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 東日本大震災の被災地支援で、米海兵隊が投入していたシャワー施設が「日米物品役務相互提供協定(ACSA)」に基づき自衛隊に無償提供されたことが10日、分かった。平成16年のACSA改定で活動目的に追加された大規模災害対処での適用は初めてで、震災対応を機に日米協力の「枠組み」が一歩前進した形だ。「トモダチ作戦」終了後も米軍の支援継続姿勢をアピールする狙いもある。

 シャワー施設提供に伴うACSA手続きは4月30日に完了。機材と整備に必要な部品、輸送費も米軍が負担し、自衛隊は温水化するための燃料費負担のみで合意した。陸上自衛隊は同日から宮城県石巻市の青葉中学校など4カ所、同県東松島市では大塩市民センターなど2カ所で米軍シャワー施設を運用している。

 入浴支援のニーズは依然高く、石巻と東松島の6カ所では海兵隊がシャワー施設を運営していたが、海兵隊撤収後も運営継続が必要と判断。ただ、自衛隊は岩手、宮城、福島3県ですでに26カ所の入浴施設を設けており、機材が不足しているためACSA適用に踏み切った。

 ACSAは日米安保条約の効果的運用などを目的にした取り決め。有事に自衛隊と米軍の間で食料や燃料などの物品、修理や整備などの役務を融通しあうことができ、これまでは共同訓練で適用。米国以外では22年にオーストラリアと締結手続きに入り、韓国にも締結協議を打診している。

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 ハンセン病患者隔離政策を違憲、違法と断じた01年の国賠訴訟熊本地裁判決から11日で10年。差別や偏見に苦しみ、故郷を追われて療養所に隔離された入所者の社会復帰を後押しすると期待されたが、同訴訟西日本原告団副団長を務め、今も国立療養所・菊池恵楓園(けいふうえん)(熊本県合志市)で暮らす志村康さん(78)は「裁判に勝っても差別はなくならなかった。私は『隔離』は今も続いていると思う」と話す。【澤本麻里子】

 10年前の5月11日、熊本地裁は歓喜の声に包まれた。手を取り、抱き合って喜ぶ原告たちの中に志村さんがいた。「自分はこの世にいない」と心に決めて生きてきただけに「人間と認められた瞬間だった」と振り返る。

 志村さんは旧制中学3年の時、ハンセン病と診断され、恵楓園へ。外出制限と労働を強いられる園での暮らしは収容所に近かったという。25歳の時、入所者の女性と結婚。翌年、妻は妊娠したが中絶を強いられた。その子どもに「操(みさお)」と名付けた。

 96年、隔離政策を定めた「らい予防法」が廃止に。しかし、自分が入所している間に弟妹の縁談が破談になり、母親は一家心中を考えたこともあったと知った。「家族のためにも、らい予防法の誤りを明らかにしたい」。98年、恵楓園の入所者ら13人で熊本地裁に提訴。かばんに「操」の位牌(いはい)をしのばせ、「私の子どもを国から取り戻してください」と訴えた。

 勝訴から2年後。熊本県南小国町にあったホテルが、県のふるさと訪問事業に参加した入所者の宿泊を拒否する事件が起きた。恵楓園入所者自治会などに匿名の中傷が相次ぎ、2次被害も生んだ。

 志村さんは言う。「裁判に勝ち、予防法がなくなっても差別はなくならなかった。その証拠に、親戚の結婚に影響が出ないかを気にして、墓参りのためにすら故郷に帰れない人はたくさんいる」

 09年、元患者の生活保障や療養所の地域開放を進めるハンセン病問題基本法が施行された。恵楓園は、地域との交流を図ろうと保育所の設置計画を進めている。入所者に代わって園内を案内するボランティアガイドの養成など次世代の語り部づくりにも力を注ぐ。しかし、全国の療養所と同様、高齢化が進み、今後の運営への不安は尽きない。

 「入所者自身が講話を続けられるのも時間の問題。いろんな世代の人が自由に来られるような園になれば」。志村さんは願う。

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